Market Eye

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ブラックスワン

2024年04月08日(月)

株式市場の動向に少し変調が見え始めた。

年初から3月下旬まで、下げたら買い、でなんとかなってきた。

この背景には、米国の利上げが年後半に見込まれるとのことで、米金融緩和期待が米国株を支えてきた。

だが、株価は利下げ期待で上昇は理解できるが、金利は思ったほど下がらず、日米金利差は大きく、円安基調は変わらず、日本株もその恩恵に預かっていたといえる。

先週の金曜日に、米雇用統計が発表され、市場予想よりも雇用数が大きく伸びたことで、米金利が反発してきた。

だが、株式市場は前日下げがきつかったので、株価も反発となった。

まあ、雇用が堅調ということは、経済もそこそこだとの見方からすれば、株価の反発も理屈はある。

こういうときは、金融市場のニュースはどちらに傾いても、ポジティブな反応となる。

いわゆるリスクオン状態にあるということだ。

さて、市場に死角はないのか?

ブラックスワンは顕在化しないのか?

市場が予想できない何かが起こることはないのか、と考えてみても、予想できないことなので、誰もがイメージできなくて当然だが、いろんなところで、その芽は育ちつつあるのかもしれない。

私が思うに、金融市場で起こることは、ある程度は思惑の範疇かもしれないが、突発的なことが起こるとすれば、地政学的リスクかもしれない。

ウクライナ、ガザ、極東(北朝鮮)、台湾、このあたりは当然のごとくイメージできる。

きっと、これ以外の場所で、何かが起こる、それが市場に大きく影響するかもしれない。

それと、足元からほころびがでるかもしれないことも要注意だ。

あまりにも見慣れた日常の中に突如として起こる可能性もある。

日々、報道されているゆえに、気にはならないが、いざ、そうなったら市場は躊躇するかもしれないこと。

それは、政局かもしれない。

外国ばかりに目が向くが、日本の政治もかなり危ういところに来ていると思う。

米国の大統領選が市場に与える影響は大きいと言われているが、自民党総裁選を秋に控えて、衆議院解散総選挙が夏にもあるかもしれない。

どうなるかはわからないが、国民の目は自民党にかなり厳しい。

もし、自民党が負けたら、もしトラよりも恐ろしいことになりそうだ。

これが私が思うブラックスワン。

さて、そんなことが起こるか?

時代は何か変化を求めているだけに、あっても不思議ではない。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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