Market Eye

最新記事
記事一覧
次の記事
前の記事

過ぎたるは猶及ばざるが如し

2016年12月02日(金)

いつの間にか師走に入ってしまいました。 もう今年も1カ月をきってしまって、来年のカレンダーを持って年末の御挨拶に来られる方がちらほらという時期になりました。

そろそろ来年の計を考えなければならないのでしょうが、そうは容易く今年を終わるわけにはいきません。 まだまだ一勝負、二勝負は勝ちに行かねばなりません。

さて、金融市場は熱気に満ち溢れているようです。 

トランプ大統領誕生で世界が一変してしまいました。 米金利上昇で円安、そしてOPEC原油減産合意で原油高となり株式市場はリスクオンが続いています。

日経平均株価はこのままの勢いが続けば、年末には2万円に届こうかという勢いです。

メディアは大統領選挙のあと就任日までハネームーン期間は常に市場にはフォローウィンドが吹くと解説していますが、それにしても強烈な追い風が吹いていると言えます。

ですが、この追い風が急に向かい風になることも想定しておかないといけません。

ゴルフで言えば、風速40メートルの追い風で素人がドライバーで300ヤード飛んでしまった、でも、次のホールはアゲンストになって、150ヤードしか飛ばなくなってしまった、ということが十分起こり得るということです。

円安、原油高は日本にとって劇薬であることも承知しておくべきでしょう。

相場はほどほどの水準でとどまってくれればいいのですが、ドル円が150円、原油が100ドルになったと仮定すると、日本人の生活は激変してきます。

そうなると、ガソリン価格は間違いなく200円を越してくるでしょう。 食料自給率40%ですから飲食店や食品会社は値上げせざるを得ないでしょう。

それだけ賃金が上がればいいのですが、物価だけが上昇するという悪いインフレになる可能性が大きいと考えます。

過ぎたるは猶及ばざるが如し。

日本にとってみれば、いまの相場水準が一番快適かもしれません。

時間よ止まれ!と言いたいのですが、時間は止まってくれません。

いかなる経済環境になろうと、その環境に対応する柔軟性を持っていたいものです。

  • 過ぎたるは猶及ばざるが如し
最新記事
記事一覧
次の記事
前の記事

プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


最新の記事一覧