2016年のIPO総括
2016年12月29日(木)
皆さま、今年も余すところ3日となりました。
株式市場は明日30日もありますが、IPOは今週終わりましたので、少しまとめてみました。
今年のIPO件数は83社と昨年の92社から9社減となりました。
資金調達額においては、8050億円と前年の1兆,7431億円からほぼ半分になりました。
IPO社数はさほど減っていないの金額がこれだけ減ったのは、昨年は日本郵政グループ3社の上場で約1兆4000億円の調達があったからです。
2016年の最も大きかったIPOは調達額ではJR九州で4089億円、2番目がLINEで1268億円、3番目がコメダで573億円でした。3社合計でも5930億円ですから、昨年の日本郵政G3社のIPOがいかに大きかったかがよくわかります。
次に初値のパフォーマンスですが、83社の平均初値騰落率は、+72.27%と前年の+89.40%から▲17%となりました。 その理由としては、IPO社数の最も多かった東証マザーズ銘柄の初値騰落率が、2015年の102%から2016年には87%へと▲15%となりました。また、夏場以降は日銀のETF買いにより、大型株に資金が動き偏り、小型株市場から離れたことも一因であったといえます。 この流れは来年以降も続く可能性は高いと考えておいた方が良いでしょう。
続いて、IPO企業の経営者の懐具合ということでは、売出し額と上場時の保有株式の時価総額(公開価格)のトップ5は以下の通りでありました。
順位 コード市場 社名 社長名(敬称略)売出し額 保有株時価総額 年齢
1 6539 / マザ MS-Japan 有本隆浩 1,520百万円 6,568百万円 55才
2 6535 / マザ アイモバイル 田中俊彦 1,371百万円 12,117百万円 37才
3 9466 / マザ アイドママーケティ 蛯谷貴 1,191百万円 4,229百万円 62才
4 3548 / 東1 バロックジャパンリ 村井博之 1,082 百万円 8,240百万円 55才
5 3932 / マザ アカツキ 塩田元規 976百万円 8,685百万円 32才
保有株を売った額はそれなりの額ではあるが、決して大きな額とは言えない。保有時価総額の桁をひとつ上げてくれることを期待したいところです。
最後に、この先のIPOの動向ですが、年末には市場に期待も高かったZMPが承認されましたが、個人情報の流失で上場取り消しとなり、少し冷や水となりましたが、12月にIPOした銘柄は大型株が伸び悩む中で個人投資家の物色が強く本日も大きなにぎわいとなっており、本来の活気を取り戻してきました。
1月に入っても、12月銘柄がしばらく循環物色されると考えられますので、大型株が調整した場面ではIPO株でトレーディングするとよいかもしれません。
では、本年はこれが最後のMarket Eyeになります。
2017年が皆様にとって最高の年になりますことをお祈りしております。