Market Eye

最新記事
記事一覧
次の記事
前の記事

チキンレースが始まる

2017年08月11日(金)

今日は山の日で祝日、そしてお盆休みで休暇の方も多いのではないでしょうか?

そんな中、米朝のチキンレースが始まりました。

一触即発の事態が起こるかどうかはわかりませんが、今日明日に起こりはしないと思います。

北朝鮮がグアム近海にロケットを打ち込むことが仮に起こったとしても、具体的な被害が出なければ、即時交戦とはならないと思います。

ですが、このモヤモヤした状態はすぐに解決されるわけではなく、なんらかの解決めいた方向性が出るには、しばらく時間がかかると思います。

今週にはいり、日本だけではなく、全世界的に株式市場は調整が起こっています。 

特に米国市場においては、高値警戒感あるところに、夏休みで薄商い、そして、今回の地政学的リスクが高まり、調整のきっかけとなったと考えます。

おそらく、この調整は、9月の米国FOMC近辺までは続くのではないかと考えます。 

日本株においても、リスク回避の円高が進みやすく、1ヶ月くらいは調整となるのではないでしょうか。

この相場は、昨年6月末のBREIXTに端を発しております。 1年1ヶ月という長い登り相場だったわけですから、ここで一服というのはあって当然です。

ロングポジションの投資家も多いでしょうが、利食い千人力です。 日本株は割安と証券会社は言ってますが、それはドル円が110円台に留まっていたときに話です。

日本企業のドル円の前提条件は108円台半ばです。 ほぼほぼトントンの水準まで為替は円高になってきました。 これより円高になると、業績予想が減益になる企業も出てくる可能性もあります。

さて、日本が有事の渦中になるかもしれないので、ドル円が円高になるのはおかしい!とお考えになる方も多いと思います。

日本に何かあれば、むしろ円売りではないかと・・・・。

よくリスク回避の円買い、とか言われます。 なぜでしょうか?

それは、円キャリートレードが行われているからです。

ドル円で円売りポジションは数週間前にリーマンショック以降の最高水準まで積みあがっていました。

つまり、リスクオフでポジションをクローズするとは、売っていた円を買い戻すことにあるのです。

この積みあがった円売りドル買いポジションがなくなれば、今度は本格的な実需の円売りが始まるかもしれません。

それまでは、しばらく、リスクオフ=円買い=円高、と考えておくべきでしょう。

そんなことで、ここは様子に徹したほうが良いと考えます。

底の底を打ったときこそ全力で出動です。

最新記事
記事一覧
次の記事
前の記事

プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


最新の記事一覧