Market Eye

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日本人が買わないと始まらない

2016年04月21日(木)

金融市場が少し落ち着いてきました。 

NYダウは過去の高値水準まで戻しています。 

リスクオフモードからリスクニュートラルを通り過ぎてリスクオンに近くなってきています。

それに引き換え日本の株式市場は昨年の高値から沈んだままで浮上するかどうか怪しい状況です。

今回の九州の震災もあって、輸出企業も打撃を受けており、今期の業績は出足で躓いた感が強いです。

株価は、業績と需給、次第ですが、業績は暗雲が垂れ込んでいます。 

需給と言えば、外国人投資家の動向が気になりますが、1-3月期は欧州の投資家が3兆6218億円も売り越しました。

その背景には中東諸国が日本株を売っていると言われています。 

そんなに中東諸国は財政が厳しいのか?と思うのですが、今日の日経新聞にサウジアラビアの財政が悪化しているとの記事がありました。

確かにサウジアラビアの外貨準備は減少してきています。 外貨獲得の要である原油価格が低迷を続けると、日本株売りはまだまだ続くかもしれません。

世界の株式市場がリスクオンでも、日本だけはどういわけか蚊帳の外に置かれるような気がしてなりません。

やはり、日本国民が日本株に投資していくしか日本の株価上昇の術はないのかもしれません。

金利もつかない預金でも元本保証で無くならないということでは安心かもしれませんが、将来のためにはやはりお金を増やす必要があります。

日本株の配当利回りは約2%です。 預金よりはずっと利回りは高いです。 

なのに国民のお金が株式市場に回ってこないのはどうしてでしょうか?

教育に問題があるのかもしれません。 投資や起業に目覚めさせるには若い頃から教え込む必要があります。

でも、教える立場の人にその経験がないと無理なのかもしれません。

鶏と卵、どちらが先かの議論ばかりしていても始まりません。

まずは、隗(かい)より始めよ、かもしれない。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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