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業績予想未開示企業の行く末

2020年05月13日(水)

企業の決算発表が続いています。 

今期の業績予想を未定としている企業が多いですが、なんとか前提条件をおいて開示しているところがあります。 

社内的には、今期計画を段階に分けて作成しているはずなのですが、どれがもっともらしいのかわからないために未定としているのだと思います。

昨日、トヨタが決算発表して、2021年3月期の業績予想を発表しました。 
売上が20%減、営業利益は80%減です。
前提条件を仮置きしてのことです。

たぶん、これで、株主、投資家は安心するのではないでしょうか。

この前提からの乖離が起こることで、どのように数字が動くのかを予想できるからです。 

この基準がないと暗中模索となり、販売台数が発表されても売上、利益がどうなるかまったくみえなくなるからです。

もし、業績予想を開示する目的だけで、業績予想を作成したり、どうせコロナでこの先どうなるかわからないから、何も試算もせずに、「未開示」とした企業があったとしたら、それは非常にまずいことです。

そんな企業はBCPが出来ていないということですから、事業継続に疑義有となります。

仮に前提をおいて、試算して、それを説明する、上場会社として当たり前のことをやらない会社は上場会社として留まることが許されないかもしれません。

株価においても、素直に反応するのではないでしょうか。

話は戻って、トヨタ、というよりも、豊田社長は「円高など経営環境が厳しくても、日本のモノ作りの競争力のため石にかじりついてでも守ってきた」としたうえで「トヨタだけでなく、そこに連なるサプライチェーンの雇用と人材を守り抜く」と話しています。

資金繰りに困るサプライヤーが出てきた場合には、資金支援できるように準備するようです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58994430S0A510C2EA2000/

日本をひっぱるトヨタの存在が明確になった日かもしれません。

それに引き換え、横浜本社の会社はどのような説明をするのか見ものです。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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